東北農政局のポスターをきっかけに、考えたこと。
日本という国は、どこもかしこも問題だらけですね。地域や医療が国の政策により崩壊の危機に瀕していますが、農業もまた国の政策により崩壊へ向かわされることとなるのではないかと危惧しています。
昨日のエントリで、東北農政局の思い上がったポスターが、農家から反発されたことを紹介しました。ここで、このポスターの文言がどうとかいう問題だけで終わらせるのではなく、せっかくだから、農政全体を考える機会にしたいと思います。まぁ、こうしたポスターを出したということで、農水省は米作減反に本腰を入れているというのはよくわかります。
中国からの輸入毒入り餃子事件や、海外産地における旱魃で小麦の輸入価格暴騰や、原油価格の高騰により輸入食物価格に跳ね返ることで、国民の多くは、日本が食料自給率40%を切って多くを輸入に頼らねばならないことへの不安を持ったと思います。食料自給率を上げなければいけないと強く思ったことと思います。
だから、望まれるのは、食料自給率を上げていく政策であるわけで、このポスターでもそれは謳われているわけなのですが、では、農水省が奨励しようとしている米作から他の作物への転作を求める政策は、食糧自給率を上げることに繋がっていくのでしょうか。
単純に考えて、現在米作をしている農家は、食料自給率の39%に含まれる生産をしているのであって、39%の内部で作物を移動したところで、自給率は上がるはずもないですよね。食料自給率を上げようと思うなら、農地を増やす政策が採られなければならないはずです。また、米の自給率は高いとはいえ、100%ではありません。
農林水産基本データ集を見てみると、H7年は耕作放棄地が24万haだったのが、H17年には39万haとなっており、10年間でなんと15万haの耕作放棄地が増えています。この耕作放棄地が使えるのではないかと私は思うわけです。現在は、農水省の指導により牛の放牧がされているところもあるようですが、これを小麦や大豆の生産に使えないものか。おそらく使い勝手の悪い農地が放棄されているのだろうとは思いますが、かつては農地として使用されていたのだから、無理な話ではないでしょう。交付金を出すというなら、この耕作放棄地で小麦や大豆を栽培することに出せばいいのではと思いますね。
お米は日本の伝統であり宝物です。米作農家には、おいしいお米をたくさん作ってもらい、輸入小麦が手に入りにくいのなら、国民は、それを利用した製品を食べるのを減らして、米飯を食べるようにすればいいのです。もし、それでもあまるのなら、輸出すればいいのでは?日本のお米はおいしいと評判です。中国では飛ぶように売れましたしね。
政府は、国内の米作農家を潰して、買わされた外米を国民に食べさせようとしているのでしょうか?これでは、ほとんど自給できている主食の米でさえ自給できなくなるというますますの自給率低下につながるのではないでしょうか?
と、素人なりに考えてみましたけどね~、どんなもんでしょうか。
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コメント
こんなのありました。↓
ヤフー知恵袋より
「なぜ政府は減反政策を推進するの? 」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1412648084
「農地を持っている人は全員組合員なの。
戦後になって農地改革が行われ、小作といって地主でない人が大半でしたが実際に土地を耕していた人に政府が地主から農地を買い上げて安い値段で払い下げしたんだよ。だから農地になっている土地は制約があって、農業委員会の許可がないと勝手に売却できないんだ。その後社会情勢が変わりって機械化が進み、小面積の効率が悪い農地を集積して、会社組織を認め日本の農業を見直す動きに変化しつつあるとおもうよ。
農協の長所はまとまりがよい事で揺りかごから墓場までの、あらゆる事業えを手がけて、日本の隅々まで網羅していることですね。それと組合員は保守党支持者が多く自民党の母胎ですから・・・・」
う~ん、こんな歴史と構造があるのですね。
今後、農協は廃止する方向(というか後取りもいなくて自然と衰退しているのかな?)に持って行って株式会社化しようとしているんでしょうかね?
そうなれば、事実上大企業の独占化がいっそう進む(もうそうなっているのか)ってことでしょうか。
それにしても組合員は自民党の支持母体って一体…?(郵便局員もそうだったそうですね。)
投稿: らんらん | 2008年2月28日 (木) 17時27分
興味深い分析です。有難うございます。
なぜ自国の農業を潰して輸入に頼るのか? これは政権が描く産業構造が原因だと思います。日本は工業製品を売ってカネ儲けしたい。しかし、それに見合う農産物を買わないと工業製品を買ってもらえない。とすれば農業を潰せ。どうせ、個々の農家は政治献金なんかしてくれないから無視しよう。
そこで農林省は「日本農業安楽死」→「日本農業野垂れ死に」へとエスカレートさせた。それが農業基本法改変の経過です。
言い訳は大規模化による経営効率向上・コスト削減→対外競争力向上 ですが、そんなことは不可能なんです。大陸型の農業を見たら、それが不可能なことは明らかです。彼らにはコスト面で絶対に勝てません。
次に、放棄田で豆や小麦を植えようなんて不可能ですよ。そんなやる気は湧かないです。
そんな元気のある百姓はもう死んでしまいました。一枚5アールもないような段々畑の谷津田なんかで百姓する気にはなれません。
もっと書きたいけど字数制限があるでしょうからこれで。
投稿: zenbo | 2008年2月28日 (木) 19時12分
らんらんさん、こんばんは。
http://www.local.co.jp/news-drift/nousei-1.html
1953(昭和28)年まで、政府は、農業に対して財政投入額336億円と、自給率向上に努力していたようですね。
それが、方向転換します。
1954(昭和29)年、アメリカは条件案付きで日本に経済社会構築のための防衛上の再軍備実施と食糧増産の打ち切りを要求、
財政投入型の食糧増産をやめて日本はアメリカの余剰農産物を円で買う、
そのかわりにアメリカは受け取ったその円を日本への防衛投資や日本製品購入に当てるという内容のMSA協定を提示。
それを日本政府は、アメリカ側の新しい援助だとして飛び付き、即座にMSA協定を締結すると、
日本の農政も、これまでの方針を大転換、米麦を中心とした増産対策(いわば食糧自給)の放棄と小農保護政策の中止を決めていく。
アメリカの指示通りに減反政策を行い、食料自給率を落としてきたということですね。
農協が自民党の支持母体だったのは、減反政策を受け入れながらも、さまざまな助成金を受け取っていたからではないでしょうか。
まぁ、この助成金が農家や地域に対するさまざまな足かせにもなっている現実がありますが、農家農協としてはとりもあえず、生かさせて貰っていると思って自民党支持なのでしょう。利権もあるかも?
そうした自民党も今はネオコンに乗っ取られてしまいましたから、農業も大会社組織として耕作するのは派遣社員のような感じにしようとしているのだと思います。
そうすると、農協も農家も邪魔な存在だから、一気に潰しにかかっているということなのじゃないでしょうか。
投稿: ふじふじ | 2008年2月28日 (木) 22時13分
zenboさん、こんばんは、初めまして。
私は、農業についてあまり知らなくて、もっと詳しく知る必要があります。
ただ、いまのところいえるのは、農業政策は、米国にずっぽりと握られていますね。これは、対日要求書以前から、戦後まもなくからです。
食料は米国から買え、製品を買ってやるというふうに、食料自給率を下げさせられてきた。zenboさんが、お書きのことと逆です。そして、私も、zenboさんのように思っていました。
政府は、口先では自給率を上げるといいつつ、実は下げる政策しか採ってこなかったのです。
まぁ、しかしこんな政策の下、日本の農家はよくがんばっています。安全でおいしい作物づくりに。
休耕田と耕作放棄地は同じではないですよね。う~ん、耕作放棄地の利用は無理ですかね。
もっと、農業についての政策を詳しく調べて、エントリにしたいと思います。できるかどうかわからないけど。
投稿: ふじふじ | 2008年2月28日 (木) 22時28分