« 秋葉原通り魔事件で思うこと。 | トップページ | 「サマータイム」導入は、増エネで、廃案が適当。 »

「派遣について一言」と、「事業化推進:環境・エネルギーなど、官民共同でファンド」、ってなんだ?

 まず最初に、秋葉原の事件についてです。

 秋葉原通り魔事件の容疑者には、家庭の問題などがあったかもしれませんが、派遣の雇用状態に、一番注目すべきだと思います。

 共産党の志位委員長の国会質問では、派遣社員には、冷凍用の手袋も貸与されず、凍傷になったという悲惨な状況を知りました。彼の働いている環境はどうだったかよく調べる必要があります。

 そもそも、この派遣というのは労働基準法6条(中間搾取の禁止)違反ですよね。人を商品にしてはいけないって、当たり前のことです。

 派遣という労働形態が人の尊厳を傷つけることは間違いありません。尊厳を傷つけられた精神は自暴自棄に陥りやすいということも間違いないでしょう。何かちょっとしたきっかけ(彼の場合はつなぎがなかったなど)で、押さえていた不満が一気に噴き出してしまう。そして、誰にこの怒りをぶつけたらいいのかわからないで、無差別殺人を犯してしまうという具合だと思います。この犯罪を起こさせたのは、人を人と扱わない基本的人権を踏みにじる派遣(奴隷)を合法化した政府にあると私は思っていますよね。

 そして、こうして身も心も消耗させられた派遣社員が、暴発する対象は、面識のない一般市民になってしまうというやり切れなさがあります。

 私たちは、自分たちの安全のためにも派遣に反対し正規雇用を要求するべきです。派遣社員の不幸は、私たちの不幸に繋がってきます。派遣社員だけの問題ではありません。

 で、きょうは、下のニュースを考えてみたいです。

事業化推進:環境・エネルギーなど、官民共同でファンド

 政府は7日、国内外の大学や中小・ベンチャー企業、大企業が持つ環境・エネルギーなど成長分野の最先端技術を組み合わせて事業化を推進する新たな 枠組みとして、官民共同出資のファンド「イノベーション創造機構(仮称)」を設立する方針を固めた。業種や組織の枠を超えたオールジャパンで産官学のトッ プ級の人材を結集。環境・エネルギー分野を中心に革新的な技術を見つけ出す目利き役となって投資対象を選定し、長期資金を提供する。【須佐美玲子】

 世界的にも強みを持つ技術を育成し、日本経済の国際競争力の底上げを図る。福田康夫首相は9日、「21世紀型経済構造への再構築」の第1弾として 同機構の設立を表明し、甘利明経済産業相に具体策作りを指示する。政府が6月下旬に策定する「骨太の方針2008」にも盛り込む。

 「イノベーション創造機構」は、国と民間の共同出資による株式会社形態で運営し、資金規模は2000億円以上とする。運営経営や金融、技術に精通した民間人が当たり、資金政府出資ほか、海外の政府系ファンドも含めた国内外から幅広く募る

 機構は、傘下にテーマ別複数の子ファンドを設け、出資人材などを供給。具体的には、大企業に眠る技術や人材を組み合わせたり、資金難に陥って いるベンチャーの有望な技術を買い取って事業化に導く。また、中小やベンチャー企業が持つ技術を組み合わせ、資金を提供して新たな技術開発を促す。事業が 軌道に乗れば政府出資の持ち分は民間に売却し、売却益を得る。

 政府は、機構を10~15年程度の時限的な組織として来年度に設立したい意向で、来年の次期通常国会に関連法案を提出する方針だ。

 【ことば】▽官民共同ファンド▽ 国と民間が共同出資して設立するファンド。「イノベーション創造機構(仮称)」は、国や産業投資特別会計からの 出資ほか、民間では銀行や金融機関、個人投資家、国内外の資金を想定している。過去に国が出資して本格的に取り組んだ官民共同ファンドとしては03年4月 に設立された「産業再生機構」がある。企業再生を目的に設立された5年間の時限法人。今回は、環境・エネルギー分野で前向きな事業化支援を手掛ける、いわ ば「産業再生機構」のイノベーション(技術革新)版となる。

毎日新聞 2008年6月8日 2時30分

 まず思ったのは、天下り先を作ったか?ということと、

 国が出資する金額はいくらで、どこから出すのか?ということ。

 財政難との触れ込みで、国民への社会保障費は11年まで毎年2200億円削減される予定で、国民は困窮していますが、来年度も削減予定は変えないと財務省は言っています。

 このように国民を切り捨てている国が、「21世紀型経済構造への再構築」として、国内外の大学や企業に出資をする方針を立てたとのこと。

 おかしいな~。財政難のはず?お金はあるんじゃないのって思いますよね。国民へは回さないようにしているだけです。

 そして、この官主導の官民共同ファンドに危ない香りがします。 

 まず、大学を産業界に取り込もうという動きなのではないかと思うこと。産業に都合のいい一部の大学だけが脚光を浴びて出資(補助金)をもらえるとかで、大学の格差を助長し、取り残された大学は廃止に追い込まれるとかもありそうだし、大学の研究が金もうけに直結することしか行われなくなり、純粋な研究ができなくなるのではないかと考えられるし。

 また、例えば、小泉政権で、経済諮問会議のメンバーである企業人が自分に利益誘導する政策を打ち出し私腹を肥やしましたが、そういうことを機構を運営する民間人がやらないという保証はないと思います。意図的に、企業を選別して、出資を受ける受けないという不公平が行われ、企業にも格差をつけようとすることがあるかもしれないしと思ったりしますが、どうなんでしょう?

 そして、共同出資というと思いだすのが、民間と地方自治体の共同出資により設立された第三セクター。
 経営悪化のため長崎シーガイアなどは外資に大安売りで売却されましたが、まぁいえば、これの国バージョンですよね。これが成功するとは思えないような。、また、税金を無駄遣いだけでなく大損をしそうな気がします。そして、大学も企業も共倒れして、目も当てられなくなったりして。

 また、ファンドと言えば、金融関係だから、石原銀行をも思い浮かべますが、都民の税金を1400億円も焦げ付かす勢いを考えても、政府が作った機構が成功するとは思えない。

 資金繰りは銀行に任せて、民間の研究は民間に、大学の研究は大学に任せればいいと思う。

 だいたい、民にできることは民にって言っていたのどこの誰でしたっけ?

 政府が出てきて成功した例は全くないと記憶していますけど、ありましたっけ?

 政府がすることは、外交と、国民への福祉だというのに、何をしているのだか。

 でも、この件に関してはあまりよくわからないので、皆様のご意見をぜひお聞きしたいです。

 どうも、これも危ない感じがしますが、どうなんでしょう。 

|

« 秋葉原通り魔事件で思うこと。 | トップページ | 「サマータイム」導入は、増エネで、廃案が適当。 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

読んで直感的に感じたのは、国による「新銀行東京」みたいなものをつくるつもりではないかということ。(後で、もっとひどいと思うようになった)
国(と民間)が資金を出し、先端企業に投資したりするわけで、バクチが当たれば国も儲けて、はずれれば税金をあてる。政治家は何の責任も負わず、納税者に負担が来る。
一方でこのかたちなら民間企業は、失うものは基本的にないのでは。自分たちではなく政府が出資(投資)しているのだから、つまり借金ではないのだから、対象になった民間企業は責任を負わなくてよく、要するに成功すれば儲け、失敗しても借金を背負わない仕組みになっているのでは? 成功すれば、政府の持ち株も濡れでに粟で手に入る(自分たちはもともと資金がなくても、政府の投資で儲けた金で、持ち株が買える)。
そう考えると、石原銀行よりひどい。あれは借金だったけど、これは投資。
まだ良く分からないけど、やはりやばいと思います。

投稿: struggleunioncenter | 2008年6月11日 (水) 01時13分

秋葉原の事件の背景には派遣制度の問題があると私も思いますが、テレビでは早速個人の家庭環境や資質に転嫁する報道で一色になっています。彼の勤めていた派遣先はトヨタの関連企業だから、また派遣は低賃金での、使い勝手のいい重要な労働提供先だから、テレビは問題の焦点をそこには決して当てないのでしょう。こうした報道自体が日本の社会を劣化させている真犯人だと私は思っています。ファンドについては内容がまだよく分かりませんが、米国の不況脱出の為にも、政府系ファンドに偽装した資金提供が求められているのでしょうから要注意です。それとは別に、先日3年先の実用化を目指して、日本近海に無尽蔵にあるメタンハイドレードの日米共同開発のニュースがありましたので、米国に一方的に有利な条件にならないように国民が見守ることも大事かとも思います。この開発が成功すると日本は資源大国で、エネルギー輸出国にもなれます。今、最も大切な事は、売国政治家を排し、私たちの代わりに、国民のために、国政を監視してくれる本当に頼りになる政治家を国民自身の手で創出することではないでしょうか。

投稿: scotti | 2008年6月11日 (水) 10時32分

こんにちは。

説明が下手でしたが、判って貰って・・嬉しいなぁという感じです。「隣人の笑顔が自分の安心」という考えが人に対しての優しさを生むもんなんですよね。

一方、諸見解についても、新しい流れが新しい日本の秩序を創る傾向なのかも知れないという意味で判らないでもありません。

労働者と企業の問題は基本的に労働問題です。労働者はひとりでは極めて弱い立場ですから労働組合として取り組むのが最善ですよ。個人加盟の統一労組とか日本には優秀な歴史があり優秀な活動家がおり、相談者が有利な結果を得られるように頑張っています。現在耳にし聴く限りの事例は労働法から云うと労働委員会で労働者側が負けるものなどほとんどないものばっかりなんですがね。

世代的に労働組合からスポイルしている傾向があるけど雑に評すると「アホやちがうん」という感じですね。

政府自治体の財政投融資の範囲から云うと官僚には福祉に投ずるのは地面にお金を捨てるという考え方があるのと違いますか。税金を集めて産業育成に補助金として投じて企業が儲けてそれをまた税金として徴収してこその財政だという考え方ですよね。(ただこの間の企業優遇減税策が良くわかりません、良質の官僚なら不満状態だと思うのですし取りやすい国民から徴収するという考えは消費市場が弱体化して持続可能とはいえないからダメなんですがね・・思考停止)

詳しくないのですがこれは官学の経済学のセオリーとして彼らにしみついているわけでしょう。また敗戦前にソ連の五カ年計画を模倣して総力戦に備えて資源人員を重要産業に配分したシステムが敗戦後の日本の復興に転用されて成功しそのまま現在まで残っているわけです。

要するに成功神話なんですからこびりついている。

で、それが今までは例の道路や軍需ということなんでしょうが、この間の国会などでの論戦でどっぷりと漬かった汚れた悪の巣窟であることが暴露され、経済の停滞の原因かも知れないという危惧感を政府官僚も彼らなりに思い、これ以上金権・利権を暴き立てられたくない、無策だと思われたくないというのでアリバイ作りで準備したのが今回管理人がご指摘の官民共同の環境・エネルギーに対するファンドということなんでしょう。

最近民主・社民党が重用しているらしい神野さんの力説する世紀的な主要産業の転換の、彼らなりの取り組みという観点もあるのかも知れませんね。またどうしても福祉・社会保障・社会的セキュリティネットは産業としてどうなのっということなのかも知れません。

財政投融資の政策実施過程での管理人がご注目されているダーティ・ロスについて探求すれば今までの彼らの悪行ぶりから想起して更に注意点が数多く明確化することでしょう。官僚論については言及しませんが、官僚がこんなに壊れてしまっていると云うことは国民にとっては大迷惑であるわけです。

要するに米国を中心にしたハゲタカ金融資本と日本の政官財との間だけで今まで通り仕切りたいという作戦でしょうか。残念ながら日本には市民社会が育ちにくいのですが、こういう取り組みにヨーロッパタイプのオンブズマン制度を導入していけばどうなんだろうなどとは考えてみました。

諮問会議はよくありません。あれは小泉とかがぱっくりと扉を開けた地獄の煉獄のかまどで、位置づけ・内容・人の質も思想も悪質すぎるので市民的なオンブズマン的なチェック諮問とは大違いですよね。

では。

投稿: 単純な者 | 2008年6月11日 (水) 12時41分

皆さん、コメントありがとうございます。

>struggleunioncenterさん

なるほど~。
投資だから、民間企業に税金を差し上げるというものですね。
これは、すごい。

それに、国内外と書いてあるから、私たちの税金が外国の大学や企業に投資されるなんてことがありそうですが、それは許されることではないと思います。

これで、日本経済の海外流出が起き、国内産業が空洞化して、日本全体が、夕張化するのではないかと思ったりするのですが。


>scottiさん

派遣という奴隷制度が、人を犯行へ狩りだしていることは間違いないと思います。

私も今日テレビを見ていたら、道路公団民営化の大宅映子さんが、加藤容疑者の身勝手な犯行と非難をして、それ以上一歩も深まりませんでした。こんな程度のマスコミしか持たない日本人は不幸です。

韓国では、米産牛肉反対集会に最大規模の16万人参加したといいますが、韓国の報道がまともでこのような大人数のデモに行きつけたのではないかと思ったりします。韓国偉いですね~。うらやましい。

 >先日3年先の実用化を目指して、日本近海に無尽蔵にあるメタンハイドレードの日米共同開発のニュースがありましたので、米国に一方的に有利な条件にならないように国民が見守ることも大事かとも思います。

このニュース見逃がしていました。
今の自公政権では確実に米国にいいようにされるでしょう。早く政権交代しないことには、不安です。

これで、資源大国になれるなんてすごいですね。


>単純な者さん

「隣人の笑顔が自分の安心」という考え方、すばらしいです。

派遣は、労働組合に入っているわけじゃないようです。入っている人もいるかと思いますが。ユニオンができたようですが。
このような深刻な事件が起きたことは、派遣労働の問題がハケンだけの問題ではないということと受け取り、私たちも、彼らの応援をするべきだと思います。国民が総出で、加害者も被害者も出さないための努力をすることが必要だと思います。

国民からはこれ以上税金をとったら消費が冷えこむばかりですよね。
そして、企業減税をしながら、税金を企業につぎ込もうとしているということだし、それも、グローバルという視点で税金をつぎ込むということは、国民へまったくお金は回ってこず、外国と一部企業の間でお金を回すということだと思います。

国民は税金を取られる一方で、その税金は企業に使われ、財源がないと言っては、福祉目的で消費税を上げるといわれる。。。

こんなすごい悪政はないのではないかと思います。

官僚が壊れていますよね。

>米国を中心にしたハゲタカ金融資本と日本の政官財との間だけで今まで通り仕切りたいという作戦

そうじゃないかなと思います。それも、米国のアイデアじゃないかと思います。

投稿: ふじふじ | 2008年6月11日 (水) 17時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/223908/41496483

この記事へのトラックバック一覧です: 「派遣について一言」と、「事業化推進:環境・エネルギーなど、官民共同でファンド」、ってなんだ?:

» 2005・9・11詐欺まがい郵政選挙に乗っかって90代91代と選挙(衆院選)の洗礼なし内閣はもはや許されない。解散せよ!!! [雑談日記(徒然なるままに、。)]
派遣・格差問題は自民党が進めた、早く選挙やれもう我慢の限界だ!(※解散するまで抗議の気持ちをこめて常にトップにします。) ↓click⇒enlarge&move [続きを読む]

受信: 2008年6月11日 (水) 19時46分

« 秋葉原通り魔事件で思うこと。 | トップページ | 「サマータイム」導入は、増エネで、廃案が適当。 »