WTO(ドーハ・ラウンド)、農業には痛みを与え、鉱工業やサービス部門でその痛みを充分に取り戻すだってさ!
世界貿易機構(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の閣僚会合が、ジュネーブで21日開幕しました。
争点となる最終合意案は、下記の通り。
農産品関税・・・輸出国(米国、ブラジル、オーストラリアなど)が輸入国(日本、EUなど)へ要求。高関税を認める重要品目を全体の4-6%に。
農業補助金・・・米国以外が米国へ要求。米国は130-164億ドルに削減。
鉱工業関税・・・日本、米国、EUなど、先進国は上限7-9% ブラジル、アルゼンチン、南アフリカなど途上国は19-26%へ。
39%(カロリーベース)、飼肥料輸入しての生産を差し引くと20%を切るだろうといわれている我が国の食料自給率で、昨今の産地国での不作や投機マネーによって、輸入農産物の高騰を見れば、食料自給率を上げなければ国が危ういと考えるのが普通の頭を持った人間だと思いますが、やっぱり、自民党政府は、農業を犠牲にしてどこまでも食の安全を損ない、その代償として鉱工業品を売りまくりたいという従来の考えであることが、はっきりしましたね。
若林正俊農相は、午前の会合で、
「先進国、途上国、輸出国、輸入国がそれぞれ譲歩する必要がある」
と表明し、農産物で譲歩し、鉱工業で途上国の譲歩を促すつもり。
甘利利明経済産業相は、もっとハッキリと言っています。
「農業交渉の結果は日本国内に痛みをもたらす」
「鉱工業やサービス分野でその痛みを十分に相殺できなければ、ラウンドの成果は国内で評価されない」
自民党政府は、実際は20%を切るだろうといわれる食糧自給率をさらに下げるつもりです。我が国の農業に痛みを与えて、鉱工業やサービス分野で相殺するんだそうな。
若林農相は、19日には、従来目標の「10%以上」から「8%以上」の「新目標」へと、事務方とすり合わせず「政治決断」として、いきなり下方修正を表明しました。農水省幹部は「寝耳に水」と驚きを隠さず、対外交渉戦略を農相発言に沿った形にするため、急きょ、見直しに入った、とのこと。
しかし、いきなり裏切ってくれますよね。
東京新聞では、「10%以上」に固執したとしても、交渉情勢から見て実現の可能性は低く、「8%以上」への修正はいわば既定路線だと書いています。とすれば、寝耳に水と驚く農水省幹部はいったいなんなの?ただお芝居しただけ?
それに合意しなければならないということはありません。納得できなければ、合意しなければいいのです。
私も驚きましたけど、本当に若林発言に驚いたのは、当地に20日到着した全国農業協同組合中央会(JA全中)首脳です。
「活突な発言で意外。勝手に決められては困る」と本音を漏らしたといいますが、
こんな直前になっての政府の裏切りには、もっと、たけり狂って怒ってもいいんじゃないのでしょうか。若林農相、甘利経済相、ま、政府は、完全に農家の方を向いていません。最初っから、農家の意向は無視するつもりだったのだと思います。そして、経団連に奉仕するつもりだったのですよ。
自民党には、農家の生活を守る気はさらさらなく、交渉の合意により痛みを与えるつもりで、もちろん、私たちの食の安全を守る気もさらさらありません。安全保障とは何かもわからず、食料品は輸入で構わないとでも思ってんでしょ。そして、外交とは合意することとでも思っているようなこのような政治家が外交をすること政治をすることは、私たちの安全が脅かされるということでしかありませんよね。
現政権には、できるだけ早く退場願わないと、私たちが本当に危ないと思います。
【追加】
NHK午後6時のニュースで、自民党は、若林農水相に対し、「農家に痛みを与えてはいけない。高関税を認める重要品目については、全体の10%以上でなければ合意をしてはいけない。」とのコメントを伝えたとのことでした。もうひとつ、途上国に対しても○%を認めるようにとかも言っていたのですが、それは、ちょっと聞き取れませんでした。大目に見るようにというニュアンスだったと思います。
ニュースでは、椅子に座った20人ほどの自民党の面々が写っていましたが、福田首相はいなかったような気がしました。清和会系はいなかったような?はっきりとはしないですが、加藤紘一氏とか山崎托氏とかはいたように思います。食事を作りながら見たので、いい加減です。
ジュネーブでは、若林農水相や甘利経済相は、「農家に痛みを与えるが、その分以上に鉱工業部門では取り返す」との考えに基づき、行動しようとしていたのですが、そのことをどう見るべきでしょうか?東京の自民党とは、交渉内容について、何も話しあっていないようですよね。
結局、若林農水相や甘利経済相は、官僚の指図どおりに動いていたということでしょうかね~?若林農水相は、食料自給率のために農業交渉は一歩も引けないみたいなことを最初は言っていたのですよ。それが、現地に行って、コロリということを変えるだなんて。
若林農水相は、「合意できなければ大変なことになる」なんてことを言っているところが、放送されていましたが、8%なんかで合意されては大変なことになるところでした。
自民党がくぎを刺したので、とりあえずよかったです。会議が終わるまで油断はできませんが。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 静岡知事選、民主党推薦候補勝利は良かった。が、(2009.07.06)
- エコポイント制度、怪しいよ。(2009.05.21)
- 鳩山由紀夫民主党代表は、「政権交代の暁には郵政民営化の見直しを真っ先に行う」と約束。(2009.05.20)
- 鳩山民主党のもと、日本の大掃除をやろうではありませんか!(2009.05.17)
- 民主党は、不正義を勝利させ、敵を利した。(2009.05.12)
「農業」カテゴリの記事
- 景気対策は、「庶民減税、消費税廃止、企業増税、金持ち増税、雇用の安定、社会保障の充実」で。農業振興も大事。(2008.12.22)
- 小泉内閣による庶民増税が不況の元凶。その上、庶民を貧しくする消費税10%は、許されない。(2008.12.24)
- 脱力の「輸入米の検査強化に30億円=農水省」(2008.12.23)
- 国際分業は、不況を拡大させ危険。(2008.12.18)
- ドーハ・ラウンド妥結による日本農業崩壊の危機、またしても。(2008.12.01)







コメント