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「定額減税」に対する財務省やマスコミの対応について

 29日、総合経済対策で、公明党が強く主張した定額減税は、自民党を押し切って「2008年度実施」と明記されました。

 

定額減税

 納税者が支払った所得税や住民税のうち一定額を還付する制度。納税額の一定率を還元する定率減税では高所得層ほど還付額が増えるが、定額減税では低所得者ほど恩恵が大きくなる違いがある。減税分のお金が消費に回ることで、低迷する景気を押し上げる効果が期待される。

     <30日東京新聞朝刊より抜粋>

 農水省は、10月から、小麦製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を全銘柄一律に10%引き上げると発表していて、これで、売り渡し価格の引き上げは、昨年四月以降、四回めとなる。輸入小麦は日本の小麦消費量の九割近くを占めているということだから、また、めん類やパンなどの小麦加工食品の再値上げは避けられないわけで、低所得者にとっては、収入が上がらない中で、食料品が値上がるという厳しい状況に追い込まれて生きるのが難しくなるなか、定額減税が行われることは、非常に有意義なことだと思う。

 ま、確かに、選挙が近いだろうから、「定額減税」は、選挙対策として出してきたという面は否めないにしても、国民生活を第一に考えるべき農水省という行政機関が輸入小麦の値上げを発表するだけで値上げでき、昨年4月から4度も値上げをして国民生活を困窮させるのはモーマンタイで、突然であろうが、選挙対策であろうが、物価高を考慮して定額減税することがバラマキでいけないとは一体何なんだ?と思う。

 国民から奪うことはよくて、与えることはいけないってこと?なにか、とっても意地悪な政府に見えてしょうがない。

 まず、この定額減税が経済対策に盛り込まれたことを知った財務省の反応を紹介すると、

 両手を広げて、゛お手上げ゛のポーズをとり、椅子の上でのけぞった。

 「何とかつぶす方策はないものか」

 というもの。

 財政当局からすれば、従来型のバラマキに直結する「最も筋が悪い要望」(政府筋)なんだそうな。<by 東京新聞>

 しかし、官僚様はすごいね。政治担当の与党が決めた政策に行政である省庁がケチをつけ、あまつさえ潰す画策さえしそうな構えには、やっぱり、政治をしているのは俺様省庁、政治家は黙ってついてこいということなんだろうか。

 しかも、この定額減税に対する新聞の論調は、東京と毎日新聞を読む限りにおいて、財務省の代弁者よろしく、バラマキとの非難で一致している。

東京新聞<30日社説>
定額減税 選挙向けが露骨すぎる

 政府が総合経済対策を決めた。焦点だった「定額減税」は年度内の実施が盛り込まれた。バラマキ批判も覚悟しての自民、公明両党の合作である。財政健全化はどうした。総選挙狙いが露骨すぎる。

 原油価格の高騰で中小企業が倒産しないよう資金繰りを後押しする。高速道路料金の引き下げ、燃油高騰に苦しむ運送業など個別業種向けの支援策も拡大する。このほか住宅ローン減税の拡充、公立小中学校の耐震化などを急ぐ。

 決定された総合経済対策は、事業規模にすれば十一兆円、うち中小企業の資金繰り支援は八兆円という。これに基づいて政府は本年度補正予算案を編成する。規模は二兆円程度になるという。

 経済対策には、与党の公明党が求めていた中・低所得層向けの定額減税の「年度内実施」が盛り込まれた。赤字国債の発行に直結しかねないことで政府・自民党は即時実施に難色を示し、規模や方法は「年末の税制抜本改革で検討する」ことで妥協が成った。

 いずれも後退局面に入った景気のてこ入れを大義名分にする“大盤振る舞い”だが、近づく総選挙を意識しての、いかにも集票目当てのバラマキ感がぬぐえない。

 所得税、住民税から一定額を差し引く定額減税は、高所得者層に手厚い定率減税に比べ、税金を納める中・低所得者に恩恵がある。公明党はこれを「譲れない一線」として強硬に主張した。

 財政規律の必要性を強調してきた福田康夫首相も、波乱含みの臨時国会の乗り切りへ、公明の主張に大幅譲歩した。自民の執行部にも、次の総選挙で公明の協力を仰がねばならない事情があって、結局、要求を受け入れた。

 小泉政権以来の「改革」路線が風前のともしびであるように見える。年末の税制論議に向けて早くも、赤字国債の増発も視野に第二次補正予算が組まれるだろう、と公言する与党幹部たちもいる。

 それにしても一時的な“痛み止め”のようなバラマキが、さしたる景気浮揚をもたらさず、財政赤字を増大させるだけだったことは記憶に新しい。そんな過去の反省はどうしたのだろうか。

 旧来の自民党政権は不況になると赤字国債を発行し、公共事業に巨額の予算をつぎ込んだ。その結果、国債発行残高は五百兆円超にまで積み上がっている。いつか来た道をまた歩もうというのか。

 福田政権に国家経営の確たる指針が見えない。大丈夫か。

毎日新聞<31日社説>
定額減税 人気取り策に惑わされるな

 29日に決定された総合経済対策は「安心実現のための緊急総合対策」と名付けられている。福田康夫首相が掲げる安心実現内閣に即してはいるが、その内容たるや、国民に安心をもたらすものとは言い難い。

 それどころか、露骨なまでに総選挙を意識した人気取り施策となっている。

 典型が定額減税である。公明党が08年度中の実施を執拗(しつよう)に求め、盛り込まれた。自民党にも、公共事業積み増しというかつての手法を使うことができなくなっている状況下で、総選挙向けに悪い話ではない。

 7月の消費者物価上昇率は前年同月比2.4%と、消費税率引き上げがあった97年度を除けば、16年ぶりの高さである。家計は景気後退下のインフレを実感しつつあるといっていい。

 賃金が物価上昇で目減りする中で、減税は可処分所得の確保をはかることが狙いだと与党は説明する。1年度限りにすれば、財政への打撃も限定的だ。臨時福祉特別給付金で定額減税の恩恵に浴することのできない層にも配慮するという。そううまくいくのか。

 今回の定額減税の問題点は次の2点に集約できる。

 第一は、緊急対策が目指す国民の安心実現との関係が不明確な点だ。

 減税は基本的に家計の助けとなる。また、そのすべてではないにしろ消費に回れば、成長率押し上げ要因になる。ただ、それが国民の不安解消や安心実現と直結するわけではない。

 国民の不安は社会保障や医療、介護、雇用など構造的問題に根差している。緊急対策でもこうした問題への取り組みは盛り込まれている。しかし、そこから政府が実現を目指す安全、安心の姿は読み取ることはできない。

 また、単年度の定額減税で長い目で見た国民の消費マインドが回復するのかも不透明だ。むしろ、1年限りということで、貯蓄などの方法による生活防衛が主になることも考えられる。

 第二は、定額減税の規模や、財源をどこに求めるかなどが年末に先送りされたことだ。これでは、経済刺激効果も、財政再建への影響も予測できない。

 政府は臨時国会に提出する補正予算では赤字国債の増発は避け、不足分は建設国債でまかなう意向だ。しかし、年末に編成が想定される第2次補正予算では定額減税の財源として赤字国債の発行は不可避だ。そうしたことを隠そうという意図があるとしか思えない。

 緊急対策は生活者の不安解消、持続可能社会への変革加速、新価格体系への移行と成長力強化の三つの目標のもと、総花的な施策を集め、事業規模を11兆5000億円まで膨らました。これぞばらまきである。加えて、税制の抜本改正にそぐわない定額減税だ。

 こうした人気取りの手法に惑わされてはならない。

 と、この2紙でこの調子だから、あとは推して知るべしですね。

 毎日新聞は、下記のことを認めていながらです。

7月の消費者物価上昇率は前年同月比2.4%と、消費税率引き上げがあった97年度を除けば、16年ぶりの高さである。家計は景気後退下のインフレを実感しつつあるといっていい。

 新聞が、こうやって財務省の肩を持って与党批判を展開しているのを見ると、財務省が日本の最高権力者なのだとわかりますね。

 まぁ、与党の足を引っ張っている新聞をみると、次の選挙を考えれば歓迎すべきなのかもとか複雑な心境になるけれども、やっぱり、批判するところが間違っているよ。

 それに、新聞は、「定額減税」を否定して見せるだけじゃなく、じゃあ、いったいどういう経済政策が有効と考えるのか、提案してみたらどうなんだとも思うし。 

 景気対策一つするにも、省庁の非協力とマスコミの邪魔が入るということはゆゆしき事だと思う。

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コメント

税は富の再分配の要素があるのだから、定額減税は公平な富の再分配であり、権力者の恣意的な力が働かないことからも評価できる、本来望むべきバラマキである。大いに実効あるものにして、大不況に突入しないようにして欲しいものです。英国では過去60年では例を見ない大不況になると予想しています。しかし定額減税は大いに評価しても、それと政権交代しない場合に確実な消費税増税を阻止することは全くの別の問題です。目先の偽装工作に騙されること無く政権交代はしなくてはいけません。後期高齢者医療制度に反対の人は、そして後期高齢者制度の本当のターゲットである団塊の世代の人は、絶対に反対票を投じなければ、団塊の世代が年金受給するころには、年金との相殺として、後期高齢者の負担は激増するでしょう。4年の任期のある衆議院選挙、今度の選挙で政権交代させないと、団塊の世代の負担は激増します。真実は報道しないテレビ・新聞に騙されることなく、自分で考えて、自分の生活を守りましょう。

投稿: scotti | 2008年8月31日 (日) 11時06分

scottiさん、コメントありがとうございます。

政権交代は必須です。

私が言いたいのは、政治の実権を握っているのは、政権の背後にいる官僚組織だということと、そのため、官僚組織が政治側からの政策をいっさい受け付けないことです。

こういうことは、政権が代わってもおそらく変わらないことと思います。
官僚組織は、政党共通の敵として認識するべきだと思っています。

投稿: ふじふじ | 2008年8月31日 (日) 15時10分

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