「金融サービサー(債権取り立て)法改正案」で「和製ハゲタカ」
堤未果さんの「本音のコラム」(東京新聞)には、いつも勉強させてもらっている。
昨日(12日)は、題して「和製ハゲタカ」。
今年の秋の臨時国会で、法務省が後押しし与党が提出するある法案が審議されるというのだが、その法案とは、
「金融サービサー(債権取り立て)法改正案」
これが通ると、まずは従来金融機関の債権回収に限定されていた債権取り立て業者の対象が倒産関連債権にまで拡大される。問題はその先だ。巨額の利益を上げられる回収業にとって、急増する国民年金や健康保険、住民税、医療費や前述した奨学金の滞納は宝の山だろう。
と未果さんはおっしゃっている。債権取り立て業者の対象は、金融機関の債権だけだったが、倒産関連債権にまで拡大される、ということらしい。そして、その延長線上には、各種公的滞納に対して、取り立て業者に通報がなされ、過酷な取り立てがあるということらしい。
まず、債権取り立て業が、どのようにうまみのある商売かというと、↓。
http://www3.ocn.ne.jp/~kasitese/sabisalaw_kaiseimondai.html
整理回収機構のばあい、金融機関から、不良債権を一律1000円で約6000件買い取って、その回収額は、約112億円にのぼっているのです。
金融機関が回収を諦めた債権を、尋常な取り立てでは、これだけの巨額の回収をはかることはできません。債務者や消費者の人権を無視した強引な取り立てが、行われているのです。
テレビでサラ金の取り立てを見たことがあるけど、ああいう風な過酷な取り立てを行って、巨額の利益を得るというわけでしょ。
こういう風なことは、未果さんによるとすでにアメリカでは行われていて、
格差社会アメリカでは教育を受けたいと望んだ挙句奨学金返済に追われ仕事をいくつも掛け持ちする人々を、金融機関が容赦なく追いかける。
という悲惨な状況なんだそうな。
こういうアメリカ型格差社会を手本として目指す法務省は、国民の生活をよくしようなんてことは、さらさら考えず、貧しくて、国民年金や健康保険、住民税、医療費や奨学金を滞納した国民をカモとして、債権取り立て業者に「毟れ」と差し出す法案を通そうってんでしょ。私には、そういう風に見える。
ワーキングプアになって低賃金がゆえに、各種滞納している者から、取り立て業者が厳しく取り立てることを合法化するということは、貧乏で借金をしている人をさらにどん底へ突き落とすことであり、もうそれって、生活や命を奪うということなんじゃないの。
まさに、死にそうな人から身ぐるみ剥ぐという「ハゲタカ」と言える行為を合法化するもので、最低限の生活を保障する憲法に違反している。こういう法案が、法務省から出てくることに恐ろしさを感じる。
法務省が率先して憲法を破り、人の生き血をすするような人間を跋扈させる恐ろしい社会にしようとしている。そして、この法案を請け負っているのが自民党だ。
先ほどのページをみると、
「法 改正が必要なのは、金融サービサー業界の業務を拡大することではなく、債務者や消費者の人権を無視した債権回収を行うことができないように規制をすること です 」
と書いてあるが、ホントにその通りだと思う。
アフラトキシンB1という地上最強の発がん物質やメタミドホスなどの汚染されたMA米を、いともたやすく、市場にばら撒いて国民の食の安全を脅かした農水省猛毒米事件は、あらゆる業者が米の販売に参入できるとする届け出制へと規制が緩和されたせいで、いったい、汚染米がどこへ消えていったかわからなくしてしまっていた。ま、この事件は、農水省が猛毒米を扱っているという自覚もなく、売りさばいたのが一番の原因で、農水省には、国民の命を預かっているという責任感や自覚は一切感じられなかったが、「金融サービサー(債権取り立て)法改正案」を通そうとしている法務省にもまた国民を思う気持ちは微塵も感じられない。カモにしようという気持ちは感じられるけど。
悪徳厚労省の「医療制度破壊」が進行しているが、法務省もまた悪徳業者に国民を売り渡す悪徳省庁として存在している。農務省、厚労省、法務省、どの省も決して国民のための公僕として存在していないことはお分かりだと思う。私たち国民にとっては、有害無益なだけの悪徳省庁なのね。私たちは、省庁の人たちに税金で働いてもらって、私たちの首を絞めてもらっているんだよね。こんなバカな話ってある?
そして、驚いたことに、日弁連から現行法で限定されている取扱債権の範囲を拡大していくべきとの要望が出された が出されているという!もう、本当にこの国は狂っているとしか言いようがない。
【平成18年10月25日】
サービサー法改正について議論 法務部会サービサーワーキングチーム 法務部会サービサーワーキングチームは25日、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)改正について話し合った。会議では、全国サービサー協 会や日弁連から現行法で限定されている取扱債権の範囲を拡大していくべきとの要望が出された。また、議員からは「ニーズの高い倒産・事業再生に関する債権 においてどのような範囲・要件で関与することができるのか論点を明確していくことが必要」との意見が出された。サービサー会社とは、同法に定められた特定 金銭債権の買い取り、回収を行う法務大臣から営業の許可を得て設立された株式会社。現在、全国で100社近くが営業を行っている。
この国では、お金がなければ人扱いされなくなる。政府でさえも、払えないものには「ハゲタカ」へ売り渡す。お金がなければ死ぬしかなさそうよ、皆さん。こういう法案が通ってしまうと、本当に恐ろしい国になってしまうと思う。国が国民を生かそうとせず、身ぐるみ剥いで殺そうとしているのだ。
ひょっとして、自分は貧乏じゃないから、この法案は関係ないと思っているかもしれないけど、この社会は何かのきっかけであっという間に転落するから、決して他人事ではないですよ。
未果さんは、下記のようにおっしゃっているが、本当にそのとおりだと思う。
国の役目とは、国民が普通に生きるための基本的支出すら滞納せざるを得なくなった原因に眼を向けること、つまり教育や医療、雇用現場での救済ではないか。学びたいと願う子供たちの思いの先に貧困ビジネスが口を開けて待っている。そんな社会にしてはならない。
あなたは、悪徳法務省に後押しされ悪法を提出通過させようとする自民党に、自分の運命を預けたいですか?
この法案を考えても、自民党には政権から絶対に降りてもらわなければならないと私は思う。
ところで、民主党は、この法案に対して、どういう姿勢をとっているのかも気になるところで、見てみた。
どうでしょうかね。よさそうに思いますが。
http://www.dpj.or.jp/news/?num=11507
民 主 党
平 和・改 革
自 由 党
民主党、平和・改革、自由党の三会派は、弁護士法の特例として債権管理回収業を行う「債権回収会社」(いわゆるサービサー)を認める「債権管理回収業に関する特別措置法案」について、
(1)破綻金融機関の不良債権処理は、三会派提案にかかる「整理回収機構(日本版RTC)」によって対処することを基本とすべきである。
(2)悪質な取立行為を防止し、債務者の人権を擁護するには規制・罰則が不十分である。
(3)中長期的には、日本版ビッグバンを視野に入れたサービサーの必要性は認めるが、今回は、現下の金融不良債権の早期処理のための立法とすべきである。
と考える。
したがって三会派は、立法目的の限定、取扱債権の範囲の限定(金融機関の債権と「日本版RTC」からの委託に限定)、業務規制・罰則の強化など、より限定的にサービサーを導入するよう修正案を提出する。
修正案の概要
(1) 立法目的の限定(第一条関係)
本法の立法目的が、金融機関等の不良債権処理が喫緊の課題となっている状況に対応するためであることを明記する。
(2) 取扱債権の範囲の限定(第二条第一項関係)
サービサーが取り扱うことができる債権のうち、リース・クレジット債権、貸金業者が有する貸付債権、その他政令で定める金銭債権の3つは削除し、金融機関が有する貸付債権のみを取り扱うことができることとする。
なお、金融機関と同列に扱われるべき、整理回収機構(日本版RTC)、信用金庫連合会、労働金庫連合会、農林中央金庫、商工組合中央金庫、信用事業を行う 協同組合連合会・農業協同組合連合会・漁業協同組合連合会・水産加工業協同組合連合会その他が有する貸付債権を取扱債権に加える。
(3) 業務範囲の限定(第十二条関係)
法務大臣の承認により所定の業務以外の業務を行うことができるとする規定を削除する。
(4) 業務に関する規制の強化(第十八条関係)
悪質な取立行為を防止するため、業務規制として以下の項目を追加する。
ア)利息制限法が定める利息制限額を超える利息を伴う債務等については、その履行を要求することを禁止する。
イ)偽りその他不正の手段を用いることを禁止する。
ウ)貸金業者から借り入れて債務を弁済することをみだりに要求することを禁止する。
エ)債務者と密接な関係を有する者(親族等)に対し、債務者に代わって債務を弁済することをみだりに要求することを禁止する。
オ)債務者から、その債務の処理を弁護士に委託した旨の通知があった場合は、債務者に対し、訪問し又は電話をかけて、債務を弁済することを要求することを禁止する。
(5) 罰則の強化(第三十五条及び第三十六条関係)
暴力団員等の使用(第十八条第一項)、虚偽広告(同条第二項)、白紙委任状の取得の禁止(同条第三項)について、罰則を新設する。
(6) 弁護士会の関与の強化(第五条第四号及び第六条第二項関係)
営業許可基準の一つに、常務に従事する取締役のうちに弁護士を置くことを義務づけ、その適格性について法務大臣が日本弁護士連合会の意見を聴取することと しているが、これを、常務に従事する取締役のうちに「所属弁護士会の推薦する弁護士」を置くことを義務づけるよう改める。これに伴い、日本弁護士連合会か らの意見聴取は不要になるため削除する。
(7)役員規制の強化(第五条第七号ト関係)
許可が取り消されたサービサーの役員が、新たなサービサーの役員になることを制限する規定において、該当する役員の定義が、「取消しの日前30日以内」に そのサービサーの役員等であった者としているのを、「取消しの日前六月以内」にそのサービサーの役員等であった者とする。
(8) 見直し条項の新設
法律施行後5年を目途として、実施状況等を勘案して検討を加え、必要な措置を講ずることとする条項を新設する。
この法案は、日弁連のビジネスチャンス拡大になるようね。それで、日弁連は、もうけ主義に走って、取扱債権の範囲を拡大させたがり、人権意識が希薄になっているだなんて、情けない。
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コメント
私もしがない主婦です。でも、ふじふじさんと違ってほんとに「しがなくて」社会的な事に無力を感じています。そんな私でも何とかしてあげなくちゃと思う事があり、心配でたまらない事があります。ホームレスを支援している「もやい」というNPOをご存知ですか?今支援企業の倒産で資金難に陥っているのです。ふじふじさん、「もやい」のホームページを見てください!よろしくお願い致します!
投稿: ゆり | 2008年10月14日 (火) 10時06分
ゆりさん、初めまして。
無力はいつも感じています。それで、ブログを書いて発散しています。何かできることはしたいと思っています。
「もやい」のホームページを見てみますね。
投稿: ふじふじ | 2008年10月14日 (火) 15時29分
日弁連は、大抵は良い提言をしています。
例えば、下記。他にもいろいろ。
《引用開始》
「貧困の連鎖を断ち切り、すべての人が人間らしく働き生活する権利の確立を求める決議」
国は、非正規雇用の増大に歯止めをかけワーキングプアを解消するために、正規雇用が原則であり、有期雇用を含む非正規雇用は合理的理由がある例外的場合に限定されるべきであるとの観点に立って、労働法制と労働政策を抜本的に見直すべきである。
特に、労働者派遣については、日雇派遣の禁止と派遣料金のマージン率に上限規制を設けることが不可欠であり、派遣対象業務を専門的業務に限定することや登録型派遣の廃止を含む労働者派遣法制の抜本的改正を行うべきである。
・・・以下省略・・・
《引用終わり》
大抵は良い提言をしている、という私の先入観からすると、サービサー法の改正要望の詳細が分からない内は何とも言えない気がします。例えば、『現行法で限定されている取扱債権の範囲を拡大していくべきとの要望』 とありますが、現行法ではどう限定されているのか、どのような範囲拡大を考えているのか。
投稿: ホタル | 2008年10月15日 (水) 00時06分
ホタルさん、
日弁連がいいことも言ったとして、「金融サービサー(債権取り立て)法改正案」をすすめる日弁連がいいことをしていますか?
一人の人でもいいところも悪いところもあるけど、悪いところは悪いというしかないでしょう。
わからないところは、調べてみてくださいね。
投稿: ふじふじ | 2008年10月15日 (水) 16時34分