田母神俊雄・前航空幕僚長の処遇に見る政府の本音
「我が国が侵略国家だったというのはぬれぎぬ」と主張する論文で、問題となっていた田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長は、なんの処分も受けずに3日付で退職になっていた。(と書いたけど、更迭して、定年退職させたとのこと。でも、こんなの更迭には見えないでしょ。)
11月4日1時17分配信 毎日新聞
政府見解に反する論文を発表した田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長を、政府は処分もせず3日付で退職にしたが、幕引き優先の対応で、問題があいまいなままになる恐れは否めない。
防衛省が調査をわずか3日で打ち切った理由は、「本人が事情聴取に応じない」。応じない、で果たしてすむ問題なのか。インド洋給油活動を延長する新テロ 対策特別措置法改正案などの国会審議で野党に攻め手を与えないよう早期の事態収拾を図るための取って付けた理由という印象が残る。調査する側の内局官僚 (背広組)と自衛官(制服組)の間で常に指摘される不和が、「遠慮」につながった可能性もある。
一方、田母神氏が一民間人になったことが逆に、早期収拾の障害になる可能性もある。国会には「制服組は答弁しない」という不文律があるが、そのしばりが なくなるからだ。田母神氏は3日「国会で参考人招致があれば積極的に応じる」と強調しており、同氏が再び持論を展開すれば、国会の紛糾は必至。新テロ法案 の参院審議は6日以降、未定。先行きは一層、不透明になった。【松尾良】
という風に毎日新聞は書いている。
が、私は、このように思う。
政府の見解は建前としては、95年に閣議決定された、植民地支配と侵略で「アジア諸国の人々に、多大の損害と苦痛を与えた」とした村山首相談話であるが、本音としては田母神氏と同じなのだと思う。だから、同じ考えのものを処分などできなかったというか、する気が起きず、氏は政府にむしろ守られるような対応となったのではないだろうかと。
太平洋戦争を起こした旧日本帝国官僚は、GHQ占領も生き延びて政権の中枢にい続け、今日の政府をつくっているので、そもそも、日本政府は、戦争の反省などはまったくしたことがないのである。(本音では)
1966年(昭和41年)厚生省引揚援護局調査課長が「靖国神社未合祀戦争裁判関係死没者に関する祭神名票について」の通知に基づき祭神名票を送付。1970年(昭和45年)に靖国神社の崇敬者総代会でA級戦犯の合祀が決定された。(ウィキペディアより)
という事実を見れば、厚生官僚が戦争指導者の合祀を手引きしたことは明らかである。戦争を反省していれば、とてもできることではない。旧日本帝国官僚と靖国神社は仲間であり、また仲間である戦争指導者たちの戦争犯罪人との汚名を潅ぐために神として靖国神社へ合祀したと考えれば、何の不思議もないことである。
こういう政府が連綿と続いてきたからこそ、いつまでもいつまでも、田母神氏のように政府の中から戦争に無反省な人が次から次へと出てくる。無反省というより、日本の戦争は正しかったという認識が政府内で本音として共有されているという土壌があってこそ田母神氏のような人が出てくるのだと思っている。
で、このような政府をどうしたらいいのか。
とりあえず、徹底的な政府の責任追及を小沢さん、野党のみなさん、よろしく。
11月3日19時49分配信 産経新聞
民主党の小沢一郎代表は3日、都内で記者団に対し、田母神(たもがみ)俊雄・前航空幕僚長が先の大戦を日本の侵略とする見方に疑問を示す論文を公表した 問題について「以前にも同じ趣旨の論文を書いているそうだ。そういう人だと分かっていて(空幕長に)任命した政府の責任は非常に大きい。(空幕長を)更迭 すればいいという話ではない」と批判した。
まぁ、日本が、いまだに戦前を引きずっているのは、戦前からの官僚が自民党を媒体として今も幅を利かせているからで、だから、自民党には、どうしても政権を去ってもらわなくてはならないわけで。そうでなければ、日本は、戦前すら払しょくすることができない。
ということで、
来る衆院選では、絶対に政権交代させましょう!
しかし、解散総選挙がいつになるかわからないということで、ポスターを張る板を作っているところなどは、保管に困っているんだそうな。学校なども選挙に日程を空けて置かなければいけないので、予定が立たないという。ホントに、麻生自民党は、なんて迷惑千万な政党なんだろうね。
【追加】
田母神(たもがみ)俊雄前航空幕僚長が政府の歴史認識に反する論文を公表した問題で、発覚当日に浜田靖一防衛相が行った事実上の辞職勧告を、田母神氏が拒否していた。
11月4日21時23分配信 毎日新聞
田母神(たもがみ)俊雄前航空幕僚長が政府の歴史認識に反する論文を公表した問題で、発覚当日に浜田靖一防衛相が行った事実上の辞職勧告を、田母神氏が 拒否していたことが4日、わかった。このため防衛省は田母神氏を先月31日付で空幕長から更迭。3日後に定年退職させたが、田母神氏が浜田防衛相の辞職勧 告を拒否したことは、政治家が自衛隊を統括する文民統制(シビリアンコントロール)の観点から問題視する声が出ている。
関係者によると、論文が公表された31日夜、浜田防衛相は田母神氏に電話で「空幕長としてこの内容は問題だ。お辞めになったらどうか」と自発的に辞職するよう促した。しかし田母神氏は「信念に基づいて書いた。辞表は出さない」と拒否したという。
これを受けて同省内では一時、懲戒処分も検討されたが、自衛隊法に該当する規定が見あたらず、田母神氏を同日にいったん空幕長から航空幕僚監部付に更迭 した。さらにその後も辞職の手続きに応じなかったとして、今月3日に定年退職させる「強制措置」を取った。一方、田母神氏は同日の記者会見で「私は防衛相 の決定に従って辞める。シビリアンコントロールに服している」と強調した。【松尾良】
田母神氏が受賞した「アパグループ」の懸賞論文には、田母神氏以外にも50人以上の自衛隊員が応募していたことなど、アパと自衛隊の関係は、相当深いらしい。アパで自衛隊員の洗脳が行われていた?
J-CASTニュースの下記ニュースをお読みください。
田母神「侵略否定」論文の背景 自衛隊とアパグループの密接な関係
田母神(たもがみ)俊雄航空幕僚長(60)が懸賞論文で政府見解に反する主張を展開し、最優秀賞の受賞が発表された直後に更迭された。この懸賞論文を 募集していたのは、ユニークな帽子をかぶった女社長がホテルのCMに登場することでも有名な「アパグループ」。田母神氏自身がグループ代表の出版記念パー ティーに出席していたほか、「田母神氏以外にも多くの自衛隊員が応募していた」との指摘もあり、自衛隊と同社との関係に注目が集まりそうだ。
<略>
田 母神氏は前出の「報道されない近現代史」の出版を記念して08年6月2日に開かれたパーティーで、招待客の一人として挨拶しているのだ。産経新聞が6月 10日に伝えたところによると、パーティーが開かれたのは、千葉市美浜区にあるアパホテル「東京ベイ幕張」。西武鉄道が所有していた「幕張プリンスホテ ル」を、アパグループが05年に約132 億円で買収した。
記事によれば、パーティーでの田母神氏は、航空自衛隊のイラクでの活動が違憲とされた判決に「そんなの関係ねぇ」と発言したことが問題化したことを念頭に
「私は危険人物らしいが…」
と述べて会場を沸かせた上で、
「戦後、自分の国を守る言論は抑制されたが、反日的、日本の悪口をいう言論は自由だった。安全保障の根幹の問題が解消されない限り、この国を立派に守っていく態勢はできない」
などと持論を展開したという。パーティーには1500人が出席し、臼井日出男・元防衛庁長官も、あいさつに立ったという。
新聞各紙が11月4日に報じたところによると、懸賞論文には50人以上の自衛官が応募していたという。これが事実とすれば、アパグループと自衛隊が密接な関係にあり、応募の働きかけが組織的に行われた可能性もありそうだ。
これは、これは、徹底的に追及すべき。アパの後ろには、誰がいるか。。。
アパというと、耐震偽装、安晋会。
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コメント
正しい歴史観を否定して、欧米諸国の植民地侵略を揺るのか。逆でしょう。処分する必要性はないけれど、植民地支配は濡れ衣以外は何も意味がないけれど、その植民地支配者の言う事を聞いた事に問題をしないと、職の虐殺の革命が待っているよ。
戦前派、欧米諸国の植民地支配に問題点を見るべきでしょう。日本は、その開放の為に戦ったのであると。
投稿: 忍 | 2008年11月 4日 (火) 17時26分
忍さん、
日本は、石油を求めて中国大陸を侵略したことに間違いはありません。
人口が増えすぎたのも侵略する動機になりました。
関東軍が暴走して、政府が追認して、戦争が拡大したということもあります。
欧米諸国の植民地侵略をまねて、日本も侵略したことを認めましょうよ。
そのうえで、欧米の侵略を非難するべきです。
それと、戦前から現在に至る官僚支配という現実を知るべきです。これが、日本の社会をゆがめているのです。
投稿: ふじふじ | 2008年11月 4日 (火) 18時57分
太平洋戦争に至った経過は最低でも日露戦争前後から包括的に検討されなければならず「侵略戦争」とされる太平洋戦争に至った部分において反省をせねばなりませんが共栄圏の思想背景や植民地政策(やその内容)の是非と太平洋戦争の勃発を一言で断じる事は到底できず、ひいては太平洋戦争に至らざるを得ない経過があったことを知らなければなりません。緻密に歴史的分析をするとすればあのような論文が出てくるのは当たり前でしょう。いきすぎた表現の適否まで問題していたらきりがありませんが、研究にはかならずある程度のバイアスがかかってしまうのは致し方ないでしょう。もっとこのような論文がたくさん出てきてそのバランスによって我々の歴史観が本当の歴史像に近づけばいいとおもいます。
あなたのいうところの「手を出したのだから反省しなさい」では歴史を学ぶ事もできません。また彼らを含めて戦争自体の悲惨さや無念さは誰も否定していないのです。あなたが問題にしているのは「謝りなさい」の問題でこれは歴史的にも政策的にも既に終了しているのです。しかも日本国民のほとんどすべてがあなたの様にすばらしい戦後教育のおかげで「反省すべき」と思っているのです。これだけ反省している国民は外にはありません。問題は反省のし過ぎで歴史を見ていないことなのです。それを知らしめる行為までを「反省していない」という話と混同すべきではありません。
投稿: Eastern USA | 2008年11月 5日 (水) 00時44分
同感です。こうした退職ですませて、しかも6000万円も退職金を平気で出す政府の姿勢にすべてが表れているようにおもいます。
こんなのを許しておいたら、同じ歴史の過ちを繰り返すことになってしまいます。
似たような趣旨ですが、私も記事を書いたのですが、どうもうまくトラックバックできなかったので、ここでアドレスを紹介させてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/struggleunioncenter/19664513.html
投稿: struggleunioncenter | 2008年11月 5日 (水) 00時50分
Eastern USAさん、
過去を学ぶのは、現在や未来に生かすためです。
戦争経験は、平和実現のために、役立てなくては意味がありません。
田母神氏のような幼児的な思考では、再度戦争を引き起こす危険があるばかりですから。
投稿: ふじふじ | 2008年11月 5日 (水) 13時51分
struggleunioncenterさん、
読ませていただきました。
やっぱり、政府は、田母神氏のような考え方を本質的には認めているとしか思えませんよね。
その通り、認めているのですよ。
官僚の後をついていくだけの政権は、早晩取り換えないと、またいつか来た道をたどることになります。官僚や自衛隊の暴走を止めることができないのだから、危ないです。
投稿: ふじふじ | 2008年11月 5日 (水) 14時00分
民族が明らかに異なるものに改名を強制し、母国言語を封殺した、これは民族の誇りを蹂躙した事に成らないのかな?八紘一宇などと言うけれどこれは口実にすぎませんよ。
投稿: ロケットの夏 | 2008年11月 6日 (木) 05時43分
ロケットの夏さん、
アジアの日本化を持って、欧米の植民地化から救ったつもりでも、アジアから見れば、侵略者が欧米から日本に代わっただけですよね。
もういい加減、政府要人らによるこの種の日本を60年以上前の振り出しに戻すような言動が出ることがないようにしたいです。本当に前向きに進んでいきたいと切に思います。
投稿: ふじふじ | 2008年11月 6日 (木) 07時11分
Yahoo!ブログ以来、初コメント。時々は拝見していたのですが(苦笑)
政府の本音は、アホ幕僚長と同じなのでしょう。ひどいものです。ネットウヨクの主張そのまま。
こーゆー輩を任用してきた歴代首相の責任が問われます。。。
風
投稿: 風 | 2008年11月 9日 (日) 00時09分
風さん、お久しぶりです。
初コメントでしたっけ?
政府は戦前のまま、政治部門自民党で生きながらえたので、本質的には変化なしです。でも、戦後、官僚は、米国留学により、米国益にカウンターパートとして働くという洗脳もされているので、内面には非常に矛盾を持っていると思います。一方で、(反米、愛国)、一方で、(忠米、売国)という、これこそは、二重人格ですよね。
この辺が、田母神氏の処分に表れているのではないかって気がします。
米国は、実を取る国なので、自衛隊を米軍の前線に使えるようになるには、戦前回帰派に憲法改正させる方に国益があると思っているのではないかと思います。
投稿: ふじふじ | 2008年11月 9日 (日) 11時55分
>日本は、石油を求めて中国大陸を侵略したことに間違いはありません。
>人口が増えすぎたのも侵略する動機になりました。
>関東軍が暴走して、政府が追認して、戦争が拡大したということもあります。
>欧米諸国の植民地侵略をまねて、日本も侵略したことを認めましょうよ。
>そのうえで、欧米の侵略を非難するべきです。
欧米諸国に真似していないって。植民地支配はまったく考えていない。そして石油のためと言ったのは、欧米の傀儡の海軍の話で、陸軍は、真珠湾攻撃などは、一切考えていない。陸軍の戦略は、あくまでも阿片戦争を行ったインドを救う為である。話を変えるなって。田母神俊雄の発言は、全く基本的な方向は間違っていない。中国は英国に阿片戦争に負けたのである。そこで、日本、インドの悲惨を救う為に兵を出したのである。石油の為とか、人口のためではない。それを理由して、本来のアヘン貿易の制裁の為の理由を無くす目的である。
中国は戦争に負けた。だから日本が立って植民地から開放する目的で教育など十分に行ったのである。何を勘違いしているのか。日本からお金を出して一から殖産政策を行ったでしょう。歴史認識は間違いない。そうやって左翼の人殺しの歴史の革命に荷担しているって。それよりも共産党の悲惨の歴史を勉強させることであるって。そして、共産党を作った暴力団金融を荷担しているって。
投稿: 忍 | 2008年11月12日 (水) 17時26分
忍さん、
よその国へ行って、日本語を強制したり、お宮を建てて参拝を強制したりは、立派な植民地支配です。
そうした過去から決別するために、旧日本軍礼讃は絶対にできません。ドイツは、ナチスを否定しつくして、押しも押されもしない現在があります。日本もドイツに学ぶべきですね。
といっても、日本では、戦争犯罪人の仲間である官僚がそのまま戦後も居座ったので、田母神氏や忍さんのような考え方が容認されてきたという事情がありますが。
忍さんが官僚でないのなら、過去の戦争には決別して前進しましょう。
投稿: ふじふじ | 2008年11月12日 (水) 21時57分