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« 菅総理大臣が退陣の条件としている、再生可能エネルギー買い取り法案について。 | トップページ | アメリカ東部で地震。米原発 地震で外部電源喪失 »

2011年8月23日 (火)

日本経済を破壊する「再生可能エネルギー買い取り法案」。成立させていいの?

 盲点でした。『再生可能エネルギー買い取り法案』

 再生エネルギーが嫌いなわけじゃないですが、突然、閣議決定されたという感じでしょう?閣議決定される以前にこんな話は出ていたでしょうか?

 唐突に「消費税増税」「TPP加盟」を言い出した菅首相ですが、今思えば、3番目の唐突が、『再生エネルギー買い取り法案』だったんですね。全く、うかつだったんですが、もともとは、2001~2002の小泉時代の資源エネルギー調査会にあるんだそうな。要するに、外資に日本人の資金を吸い取らせる路線。

 日刊ゲンダイによると、

 「今年1月の40分に及んだ施政方針演説の中で『再生エネルギー』の言葉が出たのは1度きり。『平成の開国』として、TPP参加による農林漁業の再生をツ ラツラと語った後、総理は取ってつけたように『再生エネルギーの全量買い取り制度も導入します』とひと言触れただけです。法案成立に意欲があったとは、と ても思えません」(民主党関係者)

 ということだから、菅首相が自分だけで導入を決めて、唐突の表明したものですね。其れも1度だけ。

 3月11日の午前、奇しくも3・11大震災が発生した同日、菅内閣は『再生エネルギー買い取り法案』を閣議決定していた。今日、衆院を全会一致で通過し、参院へ送られ、可決する見通しです。可決が辞任の条件・・。で、可決させようとしているわけ。

 しかし、この法案には、大問題がありました。何人かがお書きです。

 先ほど、武田邦彦先生の記事を紹介しました。

 池田信夫氏も書いていらっしゃいます。

「再生可能エネルギー促進法」に賭ける首相の奇妙な執念 太陽光電力の「固定価格買い取り」がもたらす弊害とは

 全文の3分の1ほどしか読めませんが、それでも、読ませます。以下引用。

<引用開始>

固定価格買い取りはソフトバンクへの利益誘導

 再生エネ法案は3月11日の午前、震災の直前に閣議決定されたもので、再生可能エネルギー(太陽光や風力など)の「固定価格買い取り」を電力会社に義務づける。

 今は家庭用の太陽電池を対象にして余剰電力の買い取りを義務づけているのだが、今回の法案は全量買い取りを義務づけるのが特徴だ。

 これによって業務用の発電所の電力も、すべて電力会社が買い取らなければならない。買い取り価格は、太陽光は現在42円/キロワット時。これは原発などの発電単価の4倍以上なので、電力会社はその費用を電気料金に転嫁できる。2012年度から実施し、料金への転嫁幅は各電力会社で均等化することに なっている。

 しかし法案の審議は震災で遅れ、3カ月以上たっても審議入りできない。自民・公明両党が反対し、与党内でも消極論が強いためたが、ここにきて首相が強い意欲を示し始めた。

 その背景には、首相を支援するソフトバンクの孫正義社長の存在がある。

 6月15日の勉強会でも、孫氏は「首相の粘りはすごい」と賞賛した。それは、彼の始めようとしている「自然エネルギー協議会」による太陽光発電がビジネスとして成立するためには、再生エネ法の成立が不可欠だからである。

 「メガソーラー」と呼ばれる大型の太陽光発電所でも、発電単価は30~40円程度。そのままではこの電力を使う電力会社はないが、必ず42円/キロワット時で買い取ってもらえるなら、それ以下のコストで発電できれば確実にもうかる

 孫氏は5月25日に「協議会」を発表する前日に首相と会談し、再生エネ法の成立を強く要請したと言われる。首相もそれ以後、急に「自然エネルギーの普及が私の宿願だった」と言い始めた。

 特定の企業への利益誘導を一国の首相がこのようにあからさまに行うことは、先進国では例を見ない

<引用終了>

 もう一つ池田氏。

再生可能エネルギー法案に反対する

<引用開始>

民主・自民・公明の3党は、再生可能エネルギー買い取り法案の修正協議を行ない、今国会で成立させる方針のようだ。菅首相の退陣の条件になっているので、やむをえないのかも知れないが、条文を読むと、これはかなり問題の多い法案である。

まず肝心の買い取り価格(調達価格)もその期間も、経産省の「告示」で決まる。

第 3条5項 経済産業大臣は、毎年度、当該年度の開始前に、電気事業者が再生可能エネルギー電気の調達につき、経済産業省令で定める再生可能エネルギー発電 設備の区分ごとに、当該再生可能エネルギー電気の一キロワット時当たりの調達価格及びその調達期間を定めなければならない。

つ まり買い取り価格が「経済産業省令」で決まり、それは「毎年度」改訂されるのだ。省令には国会の承認が必要ないので、再生可能エネルギー業界を生かすも殺すも経産省のさじ加減ひとつである。当然、ソフトバンクを初めとする業者は、買い取り価格を上げてもらおうと激しいロビー活動を展開し、天下り先もたくさんできるだろう。究極の「官僚主導」法案である。

この買い取り価格は、太陽光発電促進付加金として電気料金に上乗せされる。海江田経産相はこの付加金が「0.5円/kWhを超えないように 運用する」と説明しているが、いま産業用の料金は13.8円/kWhだから、これは3.6%の値上げになる。それでも電炉業界では、経常利益の35%が 吹っ飛ぶというが、この程度の値上げで収めるには買い取り単価は20円/kWh以下になり、太陽光発電は赤字になる。

だから本当に太陽光発電を普及させるなら、孫正義氏の主張するように「40円/kWhで20年固定」ぐらいにする必要がある。これならノーリスク・ハイリターンだから、海外から安い太陽電池を輸入して大量に設置するビジネスが流行するだろう。電力会社は全量買い取りの義務があるので、どんな劣悪な電力でも買い取らなければならない。

そのためにかかるコストは、電力の買い取り価格だけではない。太陽光発電による送電網や、それを安定化させる系統安定化コストは、500万世帯に対応すると15兆円以上かかると推定され、これも電気料金に転嫁される。首相のいうように1000万世帯に太陽光パネルを設置したら、電気代はデンマークのように2倍以上になるだろう。

ところが孫氏は、今週の週刊ダイヤモンドでは「電力自由化」を主張している。それが固定価格買い取りという統制経済と矛盾することに気づいていないのだろうか。それともソフトバンクだけは例外にして、電気料金が自由競争で下がっても「メガソーラー」だけは20年間ずっと40円で買い取ってもらおうというのだろうか。しかし残念ながら、この法案にはこう書いてあるのだ:

第6条 政府は、少なくとも三年ごとに、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるとともに、この法律の施行後平成三十三年三月三十一日までの間にこの法律の廃止を含めた見直しを行うものとする。

つ まり2021年には、この法律は原則として廃止される。今は「脱原発」を掲げる菅政権が推進しているが、自公政権になったら、電力会社が買い取り価格を下 げろとか買い取りをやめろというロビー活動をするだろう。かくして電気料金は利用者とは無関係に政治的な力関係で決まる。補助金を当てにしてメガソーラー を建設しても、スペインのように補助金が打ち切られたら、業界は崩壊してしまう。

こんな補助金に強く依存したビジネスは、電力自由化と矛盾するばかりでなく、イノベーションも阻害する。私は環境対策として再生可能エネルギーを普及させ ることには反対ではないが、それは市場原理と両立する方法でやるべきだ。電力を買い取るなら固定価格ではなく、オークションによって最低価格を出した業者 から買い取るべきだ。

いずれにしても今回の法案は、それによって首相が辞める以外のメリットがなく、急ぐ必要もない。今国会では見送り、政権が変わってから冷静に検討したほうがいい。

<引用終了>


沈思黙考ブログ様の
再生可能エネルギー法案に、ドイツやスペインの反省点は生かされているか

<引用開始>

ドイツスペインの事例から、太陽光発電の全量固定価格買取制度(FIT)の問題点が見えてきます。高い買取価格と長期間の固定買取を設定したために、太陽光だけで10兆円規模の支払い債務が発生してしまいました。

ドイツの場合、太陽光は風力の4倍以上の価格設定、買取補助金額は9倍以上でした。なぜこのような買取条件を設定してしまったのか。太陽光を普及させることに固執するあまり、負担の大きさに気がつかなかったのか。太陽光にこだわらず、もっとコストの安い風力やバイオマスを優先していれば、余計な負担を増やさずに済んだはずですが。

<中略>

  • 買取の対象は、太陽光、風力、水力(3万kW未満のもの)、地熱、バイオマス、その他
  • 買取の期間、買取の価格は、経済産業大臣が決める
  • 買取にかかった費用は、電気料金に上乗せしてまかなう(サーチャージ)。
  • 3年ごとに見直しを行い、2020年には廃止も含めた見直しを行う
<図を略しました>

太陽光だけ買取価格が別枠
太陽光の買取条件だけが別枠扱いになっていて、しかも『当初は高い買取価格』と書いてあるだけ。具体的な価格は示されていない

現在の余剰買取制度での価格が40円程度なので、それと同じ買取額になるという見方が多い。太陽光が40円だとすると、太陽光以外の15~20円という買取価格の2倍以上。これではドイツやスペインなどと同じく、負担が大きくなりすぎる危険がある。


太陽光を2倍以上の価格で優遇し、他の自然エネルギーを冷遇する理由があるのかどうか疑問です。電力仕分けでもやってもらいたい。「なぜ太陽光なんですか? 風力じゃダメなんですか?」

ど うせなら、すべてのエネルギーを一律の買取価格にしてしまえばいいでしょう。買取価格が同じであれば、事業者はできるだけコストの安いものを設置したほう が、利益は大きくなる。同じ金額をつぎ込むのなら、安い方が大量に設置できるので普及するのも早い。消費者の電気代値上げの負担も少なくてすむ。

日本では現在のところ、風力の発電力がもっとも多く、次がバイオマスです。ドイツも同じく、風力、バイオマスの順です。太陽光よりも買取価格が安いにもかかわらず、圧倒的に普及しており発電量も多い。現状ではこれらのエネルギーの方が有望であることがわかります。

<図略>

買取期間の長さは、負担の重さに直結する
太陽光以外は15年~20年の間ということになっている。事業者にとっては、固定価格で買取ってもらえる期間が長い方が、安定して利益が出るから参入しやすい。しかし消費者の側から見れば、重い負担が長期間続くというデメリットになる。価格を高くするなら期間は短くする。あるいは、価格を安くするかわりに期間を長めにするなど、負担のバランスを考える必要がある

住宅用の太陽光の買取期間だけが10年間になっている。それに対して、非住宅用(事業者向け)の買取期間は15~20年になっている。スペインの事例では、事業者による投機目的の設置が行われはじめてから、設置量が一気に増えた。それにともなって負担も膨らんだ。

とにかく設置数を増やしたい、という意図で制度を作ってしまうと、後でとんでもない負担が国民にのしかかることになる。

買取の条件は経済産業大臣が決める
価格、期間は大臣が決めることになっている。これではまるで、政治家と業界団体に、「癒着してください」と言っているように聞こえる。すでに太陽光ビジネスに参入している人間、これから参入することを考えている人間が、菅総理の周りに集まってきている

国民の負担を無視して、お友達に有利な条件を設定しまうことになるんじゃないだろうか。

<後略 引用終了>


こんな法案を成立していいんでしょうか!!

自家発電装置を持つ大企業はともかく、太陽光発電にかかる費用すべてが上乗せされて、今でさえ高いのに電気料金はさらに高くなれば、中小企業はやっていけないでしょう。

その上、NHKが誘導するように、財政難⇒消費税引上げをするとすると、電気料金と消費税の増で、中小企業は絶滅です。これは、日本経済を滅ぼす法案なのだと思います!


で、27日告示、29日投票の民主党党首選は、増税派に絶対に勝たせてはいけません!

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再生可能エネルギー買い取り法案」カテゴリの記事

コメント

>原発・電力問題、なにも難しくはない ~論点を整理すれば自ずと答えがでてくる
(Goodbye! よらしむべし、知らしむべからずさま>>http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2011/08/post_2181.html)
>中日新聞2011.8.22
> 「 日本経済を守りながらの脱原発 」という選択肢はちゃんとあるはずである。
>・・・ 政治は考え得るあらゆる選択肢を示すべきだ。それでやっと、私たちは手を挙げることができる ・・・

今の日本国の最大の問題は対米敗戦後の独立回復にある。
対米独立しなければ、大正昭和期にはじまり対米敗戦で終結した対中国侵略戦争で中国大陸内の日本軍戦争残虐行為についての総括を適正に行うことも難しい。
かたや原爆は米国の戦争残虐行為そのものであり、極東軍事裁判で裁かれるべきものであったが、軍事力という暴力に物を言わせて戦後66年間米国が国連で総括を封じ続けてきているに過ぎない。いまや世界一のテロリスト国家と呼ばれるまでに成り下がった米国との地位協定は、日本にとって直ちに破棄すべき唾棄すべき奴隷契約である。

原発推進か脱原発か、の一見エネルギー政策にみえる現在問題も、さらに夾雑物を取り去ってゆけば畢竟原爆被爆の問題に帰属し、対米独立するか否かの問題ひとつに帰趨することはこどもにもわかる道理である。

われわれ大人は先祖より預かり子孫へ渡してゆく宇宙にかけがえなき地球を、こどもにもわかる道理を堅固に守る道徳心を世に明らかにしつつ守ってゆかなければならないのである。
「得手に帆あげて」。

教育について長周新聞の示唆深い価値ある記事を抜粋して紹介させていただきたい。紹介なので本投稿の掲載は必ずしも要しません。下記にて全文にあたられることをお奨めします。
>>http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/jyounetuahurerukyouikuundougahaltuten.html

情熱溢れる教育運動が発展
第33回人民教育全国集会
            教師も生徒も集団主義で成長  2011年8月22日付

 「“みんなのために”で子どもを育てよう!」「戦争に反対し、子どもを勤労人民の後継ぎに!」をテーマにした第33回人民教育全国集会(主催・人民教育同盟)の初日、「子ども、父母、教師のつどい」が21日午後1時から下関市勤労福祉会館で開かれ、教師や父母、小・中・高校生、被爆者、戦争体験者など約250人が参加した。この20年余り政府・文科省が進めてきた「個性重視」「興味関心」の教育改革が完全に破産しているなかで、鉄棒実践や平和教育実践など、子どもへの愛情を基礎に集団的に鍛えていく情熱あふれる教育実践が、教師の集団的なとりくみとして父母や地域の絶大な支持のもとに生き生きと発展している様子が報告された。集会初参加の教師や父母が次次とマイクをにぎり、確信のこもった発言をおこなった。今後の教育運動の展望を示す画期的な教育集会となった。
 
 個人の自由、競争主義と決別
(中略)
 学年全体での鉄棒実践 教師集団の結束が力
(中略)
 頑張ればできると確信 子供や母親も発言
(中略)
 全園児が竹馬に乗れた 幼稚園の実践も報告
(中略)
 難しい計算も目輝かす 農業者に学び成長
(中略)
 広島に学ぶ平和の旅 小中高生が発表  同じ目標で固い絆 

 休憩をはさんで、後半は「広島に学ぶ小中高生平和の旅」の子どもたちによる意見発表と、教師や母親の発言と続いた。北九州の小学6年男子は、平和の旅に行く前に下関駅前でカンパ活動をしたとき、初めてマイクで旅の宣伝をしたことや、母親と一緒に知り合いの人にもカンパをお願いして回り「頑張っておいで」と協力してくれたことをのべた。「広島の被爆者末政さんに話を聞き、“平和は求めるだけではなく、努力して手に入れないといけません。みんながすぐできることは、友だちと仲良くすることです。手をとりあい、平和な日本をつくってください”といわれました。来年も行きたいです」と元気よく発表した。
 続いて防府市の小学6年女子は、今年初めて平和の旅に参加した理由として、原爆や戦争のことについて被爆者の方から学びたかったこと、今福島で問題になっている原発事故について被爆者の方の意見が知りたかったからだと語った。平和の旅で2人の被爆者から体験を聞き「2人とも原爆と原発は形は違っても同じ放射能を出しているといわれました」「これからも平和や戦争について学び多くの人に伝えていきたい」と話した。
 平和の旅リーダーを担った高校2年の女子は、「カンパ活動で1昨年、宇部の商店街を回ったが、“あなたたちは、カンパだけもらってあとはなにもない”ときつく断られた経験があり、昨年はお礼のビラと報告集を持っていき、今年もお願いに行くと気持ちよくカンパをいただいた。活動を継続することの大事さを知った。小学3年のときから旅に参加して、リーダーとしての参加は2度目だが、最初は騒がしくしていた小さな子どもたちが、構成詩の練習や本番はやる気が感じられ、市中行進の大きな声に感動した」と語った。また福島の子どもたちが甲状腺の被曝をしているのに政府は「問題ない」という態度であることに怒りを持ち、そういう子と同じ気持ちで平和の会や平和の旅の活動を頑張ると決意をのべた。
 同じくリーダーの高校2年の男子は、昨年の教訓をふまえて先生やリーダー同士で連絡をとりあって準備が進められたこと、「今年は東日本の震災があり、若い世代の活動もどんどん盛り上がっているなかで、パンチのきいた構成詩をしようといろいろ考えた。僕はこれまで、なにかにつけて前のリーダーの真似や決まったことのように活動してきたが、物事はいろいろ変わるし、必要に応じて自分を変え、あわせてやっていかないといけないと学んだ」とのべた。そして「被爆者の方方やまじめに働いて世の中を支えているお父さん、お母さん、たくさんの方方の思いをこれからもっと真剣に受けとめて、平和の会の活動を全力でとりくんでいきたい」と決意をのべた。
 高校3年女子のリーダーは、「今年の旅は原爆のことについてだけではなく、原発について学ぶことも重要な点だった。唯一の被爆国である日本に原発があること、国の不透明な発表に強い怒りを持ち、“核自体を廃絶しなければいけない”と強く感じた」とのべた。小学4年生から平和の旅に参加するなかで少しずつ成長できたこと、卒業してもできることからやっていきたいとのべた。

 子供の力を引出す役割 引率教師も親も感動
(中略)
 次に平和の旅に初めて参加した20代の女性教師が発言。祖母は原爆投下の1カ月前まで広島市内の駅で働き、祖父はシベリアに出兵した経験を持っているが、「戦争や原爆は恐ろしいもの」という恐怖心から自分自身が学ぼう、知ろうという気持ちにならなかったこと、しかし平和の旅に参加して、「被爆者の話は耳を塞ぎたくなるほどの内容だったが、大人になって改めて聞くと、恐ろしさだけでなく怒りや悲しみ悔しさが胸の内にわいてきた」とのべ、教師として自分ができることはなにか考えるようになったと語った。また、教師の子どもたちへのかかわり方について「教育現場では“厳しく”指導するということがためらわれる場面が多い。校長や多くの先生、保護者の目を気にして子どもには優しく、優しく接しなければならない。しかし平和の旅の先生は、子どもたちに対して本当に厳しく指導していた。子どもたちの可能性を信じているからこその指導方法だと感じた」と新鮮な感動を語った。また「平和の旅に参加して一番変わったのは自分だった。もっと知り、子どもたちに伝えなければならないことがあるはずだ。“恐ろしいから知りたくない”ではなく“恐ろしいものだからこそ、学び伝えなければならない”と思うようになった。東日本大震災・原発事故についても同様だ。心の中で思っているだけでなく自分なりに行動すべきだと思う」と力強くのべた。
 小学6年の娘を初めて旅に参加させた母親は、平和の旅の活動と担任の教師の「サラリーマン教師」とは違う熱心さに心をうたれ、知り合いや近所のスーパーの人たちにもカンパを訴えると、「いいことをしているね」と励まされたことを喜びをもって語った。また活動を通じて自分の母親が話していた宇部空襲の体験を思い出し、今後は子どもたちにも伝えていき、来年は親子で平和の旅に参加したいと語った。

 熱のこもる教育に喜び 下関や広島の被爆者

 ここで下関と広島の被爆者が発言に立った。下関原爆被害者の会の大松妙子氏は、未来を担う子どもたちを導く教育に力を注ぐ教師たちの熱意と活動に謝辞をのべ、福島原発事故にふれて「安全ならなぜ避難させるのか、魚や野菜までわけもわからぬ横文字で市民を不安と恐怖に追い込む。私はこの度の原発事故は、神様が地震列島の日本に原発が54基もあることを知らせ、今国民が一致団結し国賊とたたかえと教えていただいたことと思う」とのべ、今の狂った世の中を変える若い世代への強い期待を語った。広島の上田満子氏は13歳のとき被爆し、戦後はひどい差別と貧乏のどん底を生きぬいてきた経験を語り、原爆展を成功させる広島の会への入会をきっかけにして、生かされている限り体験を語り伝えることが自分の務めであり、亡くなった者の供養にもなると積極的に行動していることを語り、「最後まで頑張りたい」とのべた。
 集会の最後に、6年生を担任する20代の女性教師が、地元に住んでいる87歳の引き揚げ体験者を学校に招いて体験を聞き、子どもたちが水をうったように真剣に聞き入った様子を報告した。子どもたちにとって「戦争」という概念があいまいななかで、「戦争は兵隊さんだけがするんじゃない」という体験者の言葉は子どもたちにとって衝撃で、地元にも残酷な戦争の影響が確かにあったという事実が「子どもたちにこれまでにない感情を与えた」と語った。若い教師として、「テクニックでもなんでもなく、人とのつながりが、人の心の温かさや熱い思いが子どもたちに伝わる様子をまのあたりにして、これからも、人とのつながりを大事にし、戦争を知らない世代として、どんな土地にも戦争があったということを子どもたちに伝えていくことの大切さを学んだ」とのべた。
 最後に司会の母親から「この運動を一人でも多くの人に広げよう」と呼びかけられ、感動さめやらぬなかつどいは閉幕した。
(転載了)

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